院長ブログです
私のママは、テレビに出てくるような「美人で優しい理想のママ」。家はピカピカ、食事は手の込んだものがたくさん並び、家にはきれいな花が飾られている。友達からは「結のお母さんって完璧だよね」と言われることもあった。私も、そんなママがちょっぴり自慢なんだ。
ある朝、ママがイライラして元気がないように感じた。「どうしたの?」と聞いても「なんでもない」と言うだけ。学校から帰って来てもまだ機嫌が悪くて、いつもは楽しい夕食なのに、その日はシーンとしていた。まだ小さな弟も何かを感じているのか、静かにご飯を食べて、そそくさと逃げて行ってしまった。
「ママ、いい加減にしてよ!」
夕食後も続くママのイライラした態度に我慢しきれずついに私はキレてしまった。私はそれでいつも通りのママに戻ってくれるんじゃないかなって期待していたような気がするけど、その日は違った。ママはすごい剣幕で色々言い返してきた。初めて見るママの鬼みたいな顔…。私は怖くなってワンワン泣き出してしまった。
「…!!結、ごめん…ママ八つ当たりしてた…」
ママがハッと我に返った。それから二人で抱き合いながらしばらく泣き続けた。
次の日の朝は、もう元通りの優しいママに戻っていた。
「おはよう、結」
朝ごはんに出してくれたオムレツにはケチャップで『ごめんね☆』と書いてあった。やっぱりママのオムレツは最高!あれ、でも…ママの目、腫れてる!きっと昨日泣いたからだね。…と言うことは私も!?私は急いで鏡を見に洗面所に走った。やっぱり腫れてる…。
ママと私は目を合わせ、今度は二人で大笑いした。完璧なママもいいけど、ちょっと失敗しちゃうこんなママもいいかも!私はますますママが大好きになった。