院長ブログです
小学1年の息子の学校で、授業参観として学年音楽会が催された。隣家には、息子の同級生が両親・祖父母と暮らしている。お隣さんは総出で鑑賞だ。
子供たちは、数か月前まで幼稚園児だったのがウソのように、堂々とした姿で合唱やピアニカの合奏を披露してくれた。翌日、玄関先でお隣のおばあちゃんに会ったのでさっそく感想合戦。「1年生はまだまだ可愛いくて、いいですね」と言う私に、お隣のおばあちゃんは言う。
「可愛いのはいつまで経っても同じよ。ハタチになろうが、四十になろうが。親ってそういうものよ」。
お隣さんはママ方のご両親。共働きの娘夫婦を支える形で、学童保育の送迎から食事まで、孫の世話を一手に見ている。孫可愛さもあるだろうが、何よりも頑張っている娘を助けたくて仕方ないんだろうな、と感じた。
「ラヴ・ユー・フォーエバー」という絵本を思い出した。
眠る我が子に向かって「ラヴ・ユー・フォーエバー、私が生きている限り、あなたはずっと私の赤ちゃん」と歌う母親、それは赤ちゃん時代だけでなく、息子が反抗期を迎えても、大人になっても続く。
やがて母親は年老いて、歌う力もなくなる。すると自分の家族を持ち、独り立ちした息子が、逆に母親の元にやってきて歌うのだ。
「ラヴ・ユー・フォーエバー」。
自分の親に思いを馳せた。いまだに私に構いたがる母。過干渉で正直、鬱陶しい。つい「私はいいから!」と冷たくしてしまうこともある。今の私は息子だけに「ラヴ・ユー・フォーエバー」と歌っている最中なんだと思う。
いつか親に向かって歌ってやる日が来るんだろうか。なんだか嫌だ。口の奥の方に、あったかいものがじんわり湧いてきた。