院長ブログです
「ほら、これ持って行きなさい」
(え~…また?)私にはちょっぴりおせっかいな姑がいます。結婚して2年。近所に住む夫の実家で食事をごちそうになり「おいしい!」と言おうものなら、帰りに山ほど持たせてくれたり、持ち物をほめれば、次に会う時には「この間、かわいいって言ってたでしょ」と、同じ物をプレゼントしてくれたり。私を可愛がってくれる優しい姑だけど、こう度々だと頂く側としては少し困ってしまうのも正直なところで、結婚当初は頻繁に立ち寄っていた足も、最近は遠のき気味…。
ある日、珍しく姑と2人で出かけることになり、1時間に2本しかないバスを待っていると、「よっこいしょ…」と、高齢のおばあさんが隣に座り、大きな紙袋の荷物を整理し始めました。すると、「…あっ!」紙袋が破れ、中の衣類が散乱してしまったのです!
もうバスが来る頃。一瞬躊躇(ちゅうちょ)する私を尻目に姑は「あら、大変!」と、衣類を拾い始めました。そしてバスが来ても姑はそれに目もくれず、わざわざ家から新しい紙袋を持ってきて、きれいにまとめ直してあげました。
その後、次のバスが来るまで30分。すっかり打ち解けた姑とおばあさんの会話ははずみ、バスから降りる時には「ありがとネ、あんたのおかげでほんとに助かったよ…」とバスが見えなくなるまで手を振ってくれました。
(手伝わなきゃ)と思いつつ、数少ないバスが気になり、躊躇した私。それに比べ、なんと姑の心の広いことか。あの場面で私たちがバスに乗って行ってしまっていたらあのおばあさんは途方にくれて動けなくなっていたことでしょう。今まで姑をただの「おせっかいやき」だと思っていた私。これからはもっと素直な気持ちでおおらかな姑に甘え、接していこうと思いました。