院長ブログです
僕は自分をネガティブな性格だと思っている。物事を始める前から悪い状況を想定してしまい、綿密に準備をしてからでないと行動しない。部活の試合でも(今ここでミスをしたら負けてしまう…)そう思うと積極的なプレイができず、キャプテンなのに…と、自分に嫌気がさすことがある。そして、そんな僕と正反対の性格なのが、チームのエースであるAだ。Aはピンチにもひるまずどんどん攻めていき、失敗を怖がらない。そしてそんなAの姿を見て、また僕は落ち込むのだ。
ある日、部活の帰りに仲間のBと2人で歩いていた。Bは物静かで目立たないけど、僕が一番信頼している友人だ。
「お前、最近大丈夫か?」
突然そう言われてビックリした。最近元気がない僕を心配してくれていたそうだ。
「Aと比べるとなにかと落ち込んじゃってさ…。みんなに頼ってばかりの自分がキャプテンをやってていいのかなぁって…」そういうと、Bは怒ったように話しだした。
「Aみたいなやつがいて、お前みたいなやつがいる。みんなそれぞれ役割があるんだから! 間違いなくみんなお前がリーダーだと思ってるよ。お前はいつも部員全員のことを考えてる。Aが失敗した後のフォローをしてるのもお前だろ?目立って活躍すればいいってもんじゃない。もっと自信を持てよ」
周りはそんな風に見てくれていたのか―。自分を「ネガティブ人間」だとしか思っていなかった僕は、新しい自分を見つけたような気がした。物事は見る角度によって光にもなり、影にもなる。これは自分だけではなくAについても言えることなんだろう。自分は自分のままでいいんだ。そう思った僕はふっと心が軽くなった。
「なんか元気出たよ!ありがとう…。また、明日な」
僕たち
は明るく手を振って別れた。