院長ブログです
先日、息子のコウタと、スーパーに寄ったときのこと。
入り口に向かっている途中で息子が「お母さん、ちょっとまって」と、どこかに駆けていく。
視線で追いかけると、息子はすぐ近くに捨てられていた空き缶を拾い上げる。
「まって!そんなもの触ったらだめ!」
道端のゴミを不用意に拾う息子に、つい言葉少なに咎めてしまった。
息子は一瞬どうして怒られたのか分からない、という顔で固まる。
「だって…。ゴミが落ちてたから、ゴミ箱に捨てなきゃと思って…」
息子のその言葉を聞いて、私は咄嗟に叱りつけてしまった自分を責めた。
コウタがもっと幼い頃、落ちているゴミを興味本位で拾い上げていた記憶が浮かんでしまい、今回も同じことだと決めつけてしまったのだ。
「ごめんね…。コウタはみんなのためにゴミを拾ってあげようとしたんだよね」
「うん…」
「でもね、落ちているものは危ないから、勝手に拾っちゃだめなの。今度からは、拾う前にお母さんに教えてね」
息子はわかった、と小さく頷いた。
「ありがとう!じゃあ拾ったゴミ、ちゃんと捨てようか!」
私の言葉を待ってました!と言わんばかりに、すぐ近くのゴミ箱まで捨てに行き、戻ってきた。
「ゴミに気づいて、ちゃんと拾って捨てようとするなんて、コウタもいつの間にかお兄ちゃんだね」
「えへへ」と、息子は照れくさそうにしながらも、どこか誇らしげだ。
「でも、ゴミを拾ったら必ず…」と私が言い切る前に息子は「手を洗うんだよね!」と元気よく答える。
私が小言を言わずとも、ちゃんと分かっていたのだ。
「よくできました!じゃあご褒美に、今日の夕飯は好きなおかずを作ってあげるよ」
「ほんと!?やった!えっとねー。うーん、じゃあカレーにハンバーグ!」
嬉しそうに三歩先を小走りする息子の背中はまだ小さいが、今までよりも頼もしく、少し大きくなったように見えた。