院長ブログです
年末が近付いてきたある日のこと、仕事の休憩中に先輩たちの何気ない会話が聞こえてきた。
「ウチの子誕生日が25日でさ、クリスマスと一緒に済ませちゃうってのはあるねー」
その内容が引っかかり、思わず先輩に「それは良くないですよ!」と声をかける。実は自分も同じ誕生日。同じ12月25日生まれとして当時の不満をつい熱く語ってしまった。
当然のようにプレゼントとケーキがひとまとめだったこと、友達からかわいそうと言われたのがイヤだったこと、親がいつもは優等生を見習えと言うのに、クリスマスには「よそはよそ、ウチはウチ」と言うこと。
一通り話した後になって「突然人の家のことに口出しするのはまずかったのでは」と思ったが、先輩は特に気分を悪くした様子もなく「なるほど、分かった。ありがとう」とだけ言って考え込んだ。
その日の帰り際に今度は先輩が話し掛けてきて、なんと俺の話を参考にこれまでのことをお子さんに謝り7年分のプレゼントを用意するという。
更に俺の話も伝えると言うので、俺は驚きつつ「いえ話さなくて良いです!頑張って下さい!」と慌てて答えながら、いいお父さんだなとしみじみ思った。
そしてお子さんの誕生日の翌日、先輩からメッセージカードとパンパンの小ぶくろに入ったおかしのつめ合わせをもらった。
カードの中を見ると、そこにはこんなことが書かれていた。
『パパのお友だちさん。たん生日をありがとう。25回目のおたん生日おめでとうございました』
そのちょっと独特のメッセージに笑いつつ、25回目という部分にピンと来てふくろの中のおかしを数えてみると、その数はちょうど…。
思わぬところから届いた25年分のプレゼントに、朝からとても幸せな気分になった。