院長ブログです
我が家の小学4年の長女の名前は「ひまわり」。
彼女と一緒にヒマワリの種を植えたのは5月のことだった。
障がいがあり、ゆっくり成長中の娘。
「5人家族だから、ヒマワリも5個にするの」
ひまわりはそう言いながら、5つの種を植えた。
毎朝学校に行く前、年が近い妹や弟と一緒に水やりをするのが日課だ。
1週間も経つと、芽が出てきて、3人で喜んでいる。
「ひまちゃんがお水あげる?」
「ひまちゃん、お水こぼれてる!」
「こっちの葉っぱ、4枚に増えてるよ」
…3人仲良くワイワイ。そんな時間がみんな一番楽しそうだ。
そんなある日、ひまわりが肺炎で入院をした。いつも賑やかな我が家だが、
ママも病院に行って不在がちでなんだか静かだ。それでも妹と弟はヒマワリにせっせと水やりをし、ひまちゃんに見せるのだと、写真を撮っている。
妹のような姉を、本当に大切に思っているのだろう。
約1ヶ月の入院後、ようやく退院したひまわり。うれしそうに家中を歩き回っている。そして庭に出て見た光景にビックリ。入院前はまだ膝丈ほどだったヒマワリが、今や1m以上になっているのだから、当たり前だ。
まだぎゅっと固く結ばれてはいるが、つぼみもつけている。ヒマワリと背比べをしている3人を見て、ようやく我が家に日常が戻ったと実感した。
8月。ヒマワリは2mほどになりまぶしいほどの大輪を咲かせた。
子供たちはそれに負けないくらいのはじける笑顔を3つ並べて見上げている。
そこに私たち両親も加わり、5つの笑顔。来年の今頃は、このヒマワリの子孫たちがまた大きな花を咲かせているのかな。その頃、3人はどのように成長しているのであろう。
(いつまでも仲の良いきょうだいでいてくれますように)彼らの横顔を見ながら、そっとそんなことを思った。