院長ブログです
私は半年ほど前から花屋でアルバイトをしています。
「お花が好き！」という気持ちとやる気だけでまだまだ初心者の私は、先輩に頼りきりの毎日を送っていました。
ある日の夜。私は一人で店番をしていました。
頼れる先輩スタッフが誰もいない…。
そんな時に限って「予算1万円で花束を作って」というお客様が現れました。
まだ小さな花束しか作ったことのない私は（1万円の花束！そんなの特別な時に、特別な人にあげる花束に決まってる。
私じゃどう考えても力不足だ。どうしよう…）と、とても焦りました。
私は思い切って自分には作れないことを謝罪し、近くにあるちょっと高級な花屋を紹介しました。いつもすてきな花束が飾ってある店。
アレンジのうまいスタッフさんがいて、お花もたくさん取り揃えているはずです、とお伝えすると、そのお客様は少しびっくりしていたけれど、そのままそちらのお店に行かれました。
しばらくして、先ほどのお客様が大きな花束を抱えて戻って来ました。
そのきれいな花束を見て安堵すると同時に、（なんで戻ってきたんだろう…）と、少し怖くなり、ペコリと頭を下げました。
すると、にっこり微笑んで「さっきはどうも。おかげさまで、ほら」と花束を見せてくれました。
そして、「遅くまで大変だね。良かったら、どうぞ」と温かいミルクティーと、わざわざ一緒に買ってきてくれたのか、小さなかわいい花束を私にくれました。「できないって素直に言ってくれてうれしかったよ。ありがとう、また来るよ」
その出来事の後、私は今まで以上にアレンジの練習を頑張っています。
あのお客様が次に来店された時こそ、自分が作った腕いっぱいの花束をお渡ししたい。
そして、「きれいだね！ありがとう」と言ってもらえるように…。
