院長ブログです
シャイでおしゃべりが苦手な幼い娘は、
お友だちとお話がしたくても、なかなかうまくいかない様子。
話すきっかけが見つけられるようにと、日々ちょっとした幸せを感じたときに、
報告し合う遊びを始めた。
幼稚園の帰り道でも「今日のおやつはプリンだよ。しあわせだね」
「うん、しわわせね」と、つたないながらも言葉を発して笑顔を見せる姿は、本当に微笑ましい。
見上げた空に、きれいな虹を見つけたときには「きれいだね」「うわぁ~しわわせね」と。
こんなやりとりにほっこりする日々。
ちょっと前まで幼稚園の門に着くころには顔が曇っていたのに。
日に日にお友だちにも話しかけられるようになって
「きょうはね、えみちゃんとね、えっとね、しわわせねだったの」と笑顔で報告してくれるように。
そんなある日、母から「最近、老け込んで嫌だから、元気をもらいに遊びに行くわ」と電話が。
「まだまだこれからでしょ?どうぞ孫に会いに来てくださいませ」
「そうさせてもらうわ」
そう言って、母は両手いっぱいのお土産を持ってやってきた。
「ばぁばが来てくれて、しあわせだね。こんなにたくさんのお土産、驚いちゃうね」と言うと、
娘は目を見開き、大きく息を吸い込んだと思ったら「うん、しわしわだね!」と、元気よく言うではありませんか。
母の顔は一瞬にして凍りつき、その後、私と顔を見合わせ、大笑い。
「しわしわって、ちょっと」
「違う、違う、しあわせ、だよ!」
私は笑いをこらえながら訂正。娘はきょとんとしている。
「笑う門には福来る、だね」と、母はひとしきり笑って言った。
たくさんおしゃべりをして、母も娘も、そして私も、しあわせをいっぱい見つけた、忘れられない日となった。