院長ブログです
加奈はちょっぴり勝気な女の子。
「掃除さぼって、許さないからね!」と、ほうきを片手に男の子たちを追い掛け回す。
「わかってるよ、うるさいな」と逃げる男の子たち。
ぷんぷんしながら家に帰ると、加奈はランドセルを玄関に放り投げ、「公園に行ってくる!」と走り出す。
公園のブランコをいつもより大きめに漕いでみる。空と風と一緒になれた気がして、なんだか気分が晴れた。
靴紐がほどけていたので結ぼうとブランコから降りてかがむ。
「あ!四つ葉だ!」
おばあちゃんから「四つ葉のクローバーは幸せを呼ぶよ」と聞いていたから大喜び。
家に帰って、お気に入りのノートに挟んだ。
次の日、加奈はルンルンで学校へ。
どんないいことが起こるだろうと、ワクワクしていた。
でも、いつもと変わらない。男の子たちは加奈が怒っても掃除をさぼるし。「なーんだ」とがっかり。帰り道、公園に寄り道した。
すると、小さな男の子がベンチで泣きじゃくっている。
声をかけると「ママが、お片付けできないなら、もう知らないって」
「そっかぁ…。でも片付けしなかったら怒られちゃうよ」
「わかってるけど、でも、あんなに怒らなくてもいいじゃん」と男の子は口をとがらす。
そこに「あ、ママ!」男の子の母親が駆け寄ってきた。
「お姉ちゃん、いっしょにいてくれたの?ありがとうね」と、ポケットからキャンディを取り出し、お礼にとくれた。
「あんなに怒ってごめんね。帰ってママと一緒に、片付けしよう!!」
男の子は笑顔になって、ママと手をつないで公園の前にあるお家に帰って行った。
次の日の掃除の時間。加奈はさぼろうとする男の子たちに
「掃除、一緒にやろうよ」と笑顔で言ってみた。
男の子たちは拍子抜けして「え?ああ、しょうがないな」と、掃除をしてくれた。
掃除をしながら加奈は、四つ葉のクローバーの幸せを実感して自然と笑顔になっていた。