院長ブログです
家庭教師のバイトに向かうかたわら、私は先ほど終えた大学の授業のことで、頭がいっぱいだった。 模擬授業といって、生徒同士で行う『授業の練習』が今日の課題だったのだが、用意していた資料の内容は飛び、頭が真っ白になってしまった。 散々な授業を披露したのち、すごすごと教壇をあとにした姿を思い出しては、ため息が止まらない。 「先生、なにか悩んでるんですか?」 そういって私の顔を覗き込んでいる...
こんにちは。院長の山岡です。 3月のお彼岸では「ぼたもち」をお供えしたり、その味わいを楽しんだりする方も多いかと思います。 その「ぼたもち」とよく似た「おはぎ」という食べものがありますが、この2つの違いをご存じでしょうか。 実は、春に咲く牡丹の花に例えて、春は「ぼたもち(牡丹餅)」、秋は萩の花に例えて「おはぎ(お萩)」と呼ぶそうです。 他にも、昔は秋につぶあんを楽しむことができたの...
ガシャン―― さっと血の気が引いたのは、割れたティーカップの音や破片に驚いたからではなかった。 それが、母のお気に入りだと知っていたからだ。 洗い物をしていたら、うっかり手が滑って、気づいたときには大きな音と共に割れていた。 「ミサキ、大丈夫!?怪我はない?」 音を聞きつけて様子を見にきた母は、私の視線の先を追って事態を察した。 ごめんなさい、と謝ると、母は特に怒るでもなく...
こんにちは。院長の山岡です。 バレンタインに合わせて、お菓子売り場にたくさんのチョコレートが並ぶ季節ですね。 誰かに贈るだけではなく、自分でも食べたくなって買う方も多いのではないでしょうか。 今でこそ、いろいろな味や形があるチョコレートですが、その歴史は古く、およそ5千年前まで遡ります。 当時、主成分であるカカオは「神さまの食べもの」といわれ、貨幣の役割にもなるほど貴重なものだった...
「うわ、やられた」 会社の昼休みにちょっとスイーツが食べたくなってコンビニに来たのだが、何度見ても無い。 傘立てに、私が差してきた傘が見当たらないのだ。中に戻ってビニール傘でも買うしかないか。 無くなった傘が戻ってくるわけでもないのだが、私は往生際悪く傘立ての前で思案にふけっていた。 「これ、良かったら使ってください」 最初は気づかなかったが、視界の隅に声の主が突き出した手が...
あけましておめでとうございます。院長の山岡です。 お正月といえば、子どものころに「年賀ハガキが届いていないか」そわそわしながらポストを見に行った方も多いのではないでしょうか。そんな年賀ハガキには、受け取った人が楽しめる「しかけ」があります。 それは「お年玉」です。年賀ハガキにお年玉が付くようになったのは昭和24年。 当時は戦後の混乱により通信が途絶え、親族や友人の安否がわからないことも多...
12月に入り、僕は5歳になった息子のコウタから「サンタさんへのお願い」を聞き出した。 「はたらくくるま」が大好きなコウタはまだ持っていないクレーン車のおもちゃが欲しいらしい。 良い子のところにしかサンタさんは来ないんだよ、という僕の言葉を重く受け止めたのか、いつもはやんちゃなコウタも寝坊しないようにしたり、ボタンの付いたパジャマを自分で着る努力をしたり、妻の手伝いにも積極的なようだった。 ...
こんにちは。院長の山岡です。 寒さが一層厳しく感じるこの時期には「こたつ」が恋しくなってしまいますね。 こたつが生まれたのは、なんと今から500年以上も昔の室町時代。当時は囲炉裏(いろり)という、今でいうストーブやコンロのような装置に布団をかけて入ったそうです。その後、時代とともに「掘りごたつ」や「電気こたつ」など、より長居しやすく進化してきました。 しかし、あまり長居すると脱水症状の原...
夕方、スーパーに行こうとすると、玄関には息子の靴がバラバラに散らかっていた。 「アキラ、また脱ぎっぱなし!」 そんな小言に耳を傾ける様子もなく、転がっていた靴を履いた息子は玄関から勢いよく飛び出した。 買い物を終えると、辺りはすっかり暗くなっていて、夜空にはきれいな満月が浮かんでいた。 「すっかり夜だね、早く帰ろう」そう言いながらアキラの手を握ると、思いのほか強い力で握り返...
こんにちは。院長の山岡です。 この季節になると黄色の葉をまとうイチョウは、約2億年以上前には世界中に生えていたそうです。 長い歴史の中で徐々に数を減らし、今では自生しているイチョウはほとんど無くなったことから、「生きた化石」とも言われています。 私たちが日ごろ目にしているイチョウは、人間の手によって植樹された、いわばクローンなのです。 イチョウは「樹でありながら火に強い」という特徴...