山岡歯科医院新聞です
睡眠時無呼吸症候群とは眠っているあいだに呼吸が止まる、あるいは弱まってしまう病気のことで「Sleep(睡眠時) Apnea(無呼吸) Syndrome(症候群)」の頭文字を取って『SAS(サス)』と呼ばれています。
実は、日本国内には約900万人ものSAS患者がおり、その予備軍に至っては2000万人にものぼる、という推計があります。しかし、眠っているあいだしか症状が発生しないため、自身で気づくことは非常に難しく、治療を行っているのは、わずか50万人程度しか居ないともいわれています。
SASによって睡眠中に無呼吸、または低呼吸が繰り返されると、十分な睡眠を取ることができず、日中に強い眠気に襲われたり、からだのだるさや集中力の低下を感じたりするようになります。そして、注意力が散漫になるため、交通事故や居眠り運転を引き起こす確率が、なんと約2.5倍も高くなります。
また、その悪影響はみなさんの内臓や神経にも及び、糖尿病の発症リスクを約1.6倍に。さらに、高血圧や心疾患は約3倍、脳卒中に至っては、およそ3.3倍もリスクを上昇させる恐ろしい病気なのです。
「肥満によって気道が塞がれる」「骨格が小さい」「扁桃腺の肥大」「脳や神経の異常」など、SASにはさまざまな原因があり、それによって治療方法も異なります。治療は主に、耳鼻科や循環器内科、呼吸器内科で行われることが多いですが、『CPAP(シーパップ)』と呼ばれる「呼吸を助けるマスク」や、『マウスピース(スリープスプリント)』による治療・検査は、歯科や口腔外科でも可能な場合もあります。少しでも気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。