山岡歯科医院新聞です
舌の表面は細かいヒダで覆われており、そのすき間には、皮膚のアカや
頭皮のフケのような「剥がれ落ちた細胞」が溜まっていきます。
さらに、食べかすや細菌、その死骸などが積もりに積もった結果、
苔(こけ)のような汚れとなって形成されるのが『舌苔』です。
舌苔の「つき方」は、「舌の動き」や「だ液の量」が関係しています。たとえば、食べものがうまく食べられない・飲み込めないといった症状をかかえる方は、舌の動きが鈍くなり、舌苔が溜まりやすくなります。また、高血圧・抗うつ剤などの治療薬には、だ液の分泌が低下する副作用があり、お口が乾くことで舌苔がつきやすくなってしまうのです。もともと舌苔の少ない方でも、健康状態や状況によって、舌苔がつきやすくなるため、注意が必要です。
口臭
口臭の原因のうち 8割はお口の中に原因があり、主な発生源が舌苔です。
味覚の異常
舌の表面が舌苔で覆われると、味覚をキャッチする細胞に塩味や酸味といった味物質がうまく届かず、味覚を感じにくくなることがあります。
肺炎(誤嚥性肺炎)
舌苔の中で増殖した細菌が気管を通って肺に入ると、それが原因で肺炎を引き起こす事があります。高齢者になるとリスクはさらに高まるため、特に注意が必要です。
舌苔を無理にブラシでこすったりすると、舌の表面が傷ついてしまうばかりか、剥がれ落ちた粘膜が細菌のエサとなり、口臭を悪化させることも。正しいケアの方法を知っていただくためにも、舌苔が気になる方は歯科医院にご相談ください。