山岡歯科医院新聞です
がっしりとした『奥歯』は、一見すると前歯よりも頑丈そうに思えます。ところが!
厚生労働省の調査によると、前歯と比べて奥歯の寿命は約10年も短いということがわかっており、これには奥歯特有の「弱点」が深く関係しています。
奥歯の寿命が短くなる1番の理由は、歯ブラシが届きにくく「磨き残しが多い」こと。前歯と比べて奥歯の生えている場所は狭く、歯面の「みぞ」に汚れが溜まりやすいため、必然的に磨き残しが多くなりがちです。
歯にプラーク(細菌のかたまり)が付着したままだと『むし歯』や『歯周病』になるリスクが上がり、それだけ歯を失う確率も高まります。実際、前歯より奥歯の方が約20倍もむし歯になりやすいという研究データもあります。
おいしい食事を楽しみ、人生を豊かにするためにも、健康な奥歯は欠かせませんが、それには奥歯の弱点である「磨きにくさ」を克服しなくてはいけません。そこでポイントとなるのが、『歯ブラシの選び方』です。
歯ブラシにはさまざまな形状がありますが、奥歯の隅々まで磨きたい場合には『小さくて薄いヘッド』を選びましょう。また、頬側を磨くときは「お口を軽く閉じて頬が引っ張られない」ようにしたり、逆に舌側を磨くときには「奥歯に対して平行に歯ブラシを入れる」ようにしたりするなど、ちょっとした工夫をすることで奥歯の歯面に毛先が当てやすくなります。
歯ブラシにはさまざまな形状がありますが、奥歯の隅々まで磨きたい場合には『小さくて薄いヘッド』
奥歯に対して平行に歯ブラシを入れることで、毛先がしっかり当たりやすくなります。
磨き残しは「歯ブラシの選び方」や「磨き方」を見直すことで改善が見込めますが、こうしたセルフケアにも限界があります。セルフケアを頑張るだけではなく、歯科医院による定期的なプロフェッショナルケアも受けて、みなさんの大切な歯をしっかりと守っていきましょう!