山岡歯科医院新聞です
学校の廊下で正面衝突、スポーツ中など、思わぬ事故で歯が抜けたりしてしまうことがあります。歯を元に戻すために何より大切なのは「歯を乾燥させず、いかに早く戻すか」ということ。今回は、覚えておけば必ず役に立つ「歯の保存方法」についてご紹介します。
まず、抜けた歯は根っこを触らないようにして持ちます。歯根には歯と骨をつなぐ「歯根膜」がついているので、絶対にティッシュでくるんだり布でふいたりしないこと。歯根膜が
生きていれば、歯が元に戻る可能性は広がります。そしてできれば30分以内に歯科医院に行きましょう。ただ、どうしてもすぐに行けない場合はどうしたらよいか?実は私たちのごく身近な飲み物で、とても優秀な役割を果たしてくれるものがあります。それは「牛乳」です!
右の表は、抜けてしまった歯の保存可能時間の目安です。冷たい牛乳に浸しておけば6時間程度は保存することが可能です。また学校では、専用の「歯の保存液」が備えてある場合もあるので、まずは保健室に行ってみましょう。これらがない場合は、口の中の頬と歯茎の間に歯を保存しておくのも有効です。
水道水で長時間洗うと、歯根膜が死んでしまい再植できなくなってしまいます!洗い流す場合には、長くても数十秒程度にしましょう。
保存状態 | 保存可能時間 |
乾燥 | 30分 |
精製水 | 30分 |
だ液 | 1時間 |
生理食塩水 | 1~2時間 |
牛乳 | 6時間 |
歯の保存液 | 24時間 |
お口の中の出血は、軽くうがいをしてから、ガーゼなどで止血しましょう。歯が元に戻る確率は時間がたつほどに低くなります。慌てず、適切な処置をした歯を持って、できれば 30分以内に歯科医院を受診してください。